第14章 ゆりかご
シノクニがすぐそこまで迫ってきてるってのに!
シャッターぶった斬るなんて正気!?
G-5の海兵たちが真っ青になってシャッターを元通りに戻したから良かったものの、このままシノクニまで研究所内に入ってきたら、あたしたちみんなお陀仏だったかもしれない。
「…あの船長にしてこのクルーありって感じね」
驚きを通り越してしみじみ思っていると、
「あ!トラ男〜〜〜!!ちょっとあんた!!」
ナミが鬼気迫る勢いでローを睨みつけていた。ナミって言っても、今の彼女は金髪細身の男、つまりサンジの体なんだけど。
彼女はついさっきぶった斬られたシャッターの奥から一緒に入ってきたオレンジ髪の女性(中身は多分サンジね)を必死で指差している。
なるほど、元に戻すように訴えてるみたい。
一方、サンジはブンブンと首を振って…なぜか、戻すなと主張しているようだった。
ローはそんな2人の様子を見てめんどくさそうに舌打ちはしたものの、次の瞬間にはちゃんと元に戻してあげていた。