第14章 ゆりかご
あたしとローがいるのは研究所内の中二階にある通路だった。
すぐ近くにはたしぎさんとスモーカー中将がいて。もちろんルフィとフランキー、ロビンもいる。
ちなみに、ローは海楼石を外すと同時にたしぎさんとスモーカー中将の入れ替えを元に戻した。自分たちのやることに一切手を出さないと言う条件付きで、ね。
そして、この研究所A棟の吹抜けの階下にはG-5の海兵たちがいた。それに、研究所の兵士たちも。
彼らはつまり、あたしが通気口から侵入する前、研究所の外にいた人たちだと思う。
今しがた、あたしがローと喋ってるうちに、ルフィが内側からシャッターを開けて、彼らを研究所の中に招き入れていたから、まず間違いないだろう。
外にいたらすぐにシノクニの餌食になっちゃうからね。
あたしはさっき見た映像を思い出して身震いする。アレはもうすぐそこまできている頃だろう。
そうよ、のんびりローと喋ってる場合じゃないんだった。早くここの出口を探さないと。
思うと同時に、何かが頭の中で引っかかる。
何だっけ。
シノクニから逃げるのはあたしたちだけでいいんだっけ…?
いや、他にも誰かがいた気がする。
G-5やケンタウロスとは別の。誰かが…。
そこまで考えてハッと思い当たる。
そう!!逃げてたじゃないの!!
さっきからずっと外から聞こえているドタバタという音を、あたしの耳はもうかなりはっきりと捉えていた。その音を出しているのが誰なのか分かるくらいに。
「ルフィ!もう一回シャッター開けて!」
「え??」
「いいから早く!!」
思わず叫んだけど、それよりも早くに。
「うりゃあああ!!!」
──ズバン!!
シャッターが豪快にぶった斬られて。
「お、ゾロ達だ!みんな来たな!!」
──麦わらの一味がなだれ込んできたの。