• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第13章 悪魔の実


「シュロロロロロ…!この研究所の外にいる奴は誰も生き残れやしねェ!」


そう言った途端、ガコン、とルフィたちを閉じ込めた檻が大きく傾く。よく見ると、檻の上部はレールのようなものにくっついていて、それによって引き上げられたようだった。


「もちろんお前らもなァ!」


その瞬間、あたしはシーザーが何をしようとしているのかを察した。


コイツは…シーザーは!
ローたちをこのまま外に放り出す気だ!!


外にはシノクニが広がっているのに!
海楼石の錠をつけたまま!


「やめてっ…!!」


思わずあたしは悲鳴じみた声を上げる。シーザーはそんなあたしを少し驚いたように見た。


「あァ?なんだお前?お前も外に放り出してやろうか」


まさかこの人あたしのこと気づいてなかったんじゃないだろうか。あなたを蹴り飛ばしたのはあたしなのに。


いや、今はそんなことどうでもいい。あたしも外に?上等だ。


「うん、そうして!あたしも一緒に…!」

「いや、ダメだ。コイツは俺が預かる」

「勝手なこと言わないでよヴェルゴ!あたしも檻に入れればいいじゃないの!!」


あたしはもうなりふり構ってられなかった。
こんなところに残されるくらいなら、海楼石でもなんでも我慢するから、みんなと一緒に行かせて欲しい。


「ヴェルゴ"さん"と呼べ。いや…お前はいいか。…おいシーザー、海楼石を貸してくれないか」


なのに、この男は全くあたしを外に放り出す気はないようだった。どうしてだか、ローたちと引き離してここで海楼石で縛り付けるつもりらしい。冗談じゃない。


檻がグラングランと揺れて、シャッターの外に運び出されていく。迷ってる暇は無さそうだった。


あたしは覚悟を決めた。ヴェルゴの手は相変わらずあたしの首にあったけど、一か八か、動くしかない。


そう思って、また脚に力を込めて。


一気に地面を蹴ろうと思った、その時。



/ 716ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp