第13章 悪魔の実
「シュロロロロロ…!この研究所の外にいる奴は誰も生き残れやしねェ!」
そう言った途端、ガコン、とルフィたちを閉じ込めた檻が大きく傾く。よく見ると、檻の上部はレールのようなものにくっついていて、それによって引き上げられたようだった。
「もちろんお前らもなァ!」
その瞬間、あたしはシーザーが何をしようとしているのかを察した。
コイツは…シーザーは!
ローたちをこのまま外に放り出す気だ!!
外にはシノクニが広がっているのに!
海楼石の錠をつけたまま!
「やめてっ…!!」
思わずあたしは悲鳴じみた声を上げる。シーザーはそんなあたしを少し驚いたように見た。
「あァ?なんだお前?お前も外に放り出してやろうか」
まさかこの人あたしのこと気づいてなかったんじゃないだろうか。あなたを蹴り飛ばしたのはあたしなのに。
いや、今はそんなことどうでもいい。あたしも外に?上等だ。
「うん、そうして!あたしも一緒に…!」
「いや、ダメだ。コイツは俺が預かる」
「勝手なこと言わないでよヴェルゴ!あたしも檻に入れればいいじゃないの!!」
あたしはもうなりふり構ってられなかった。
こんなところに残されるくらいなら、海楼石でもなんでも我慢するから、みんなと一緒に行かせて欲しい。
「ヴェルゴ"さん"と呼べ。いや…お前はいいか。…おいシーザー、海楼石を貸してくれないか」
なのに、この男は全くあたしを外に放り出す気はないようだった。どうしてだか、ローたちと引き離してここで海楼石で縛り付けるつもりらしい。冗談じゃない。
檻がグラングランと揺れて、シャッターの外に運び出されていく。迷ってる暇は無さそうだった。
あたしは覚悟を決めた。ヴェルゴの手は相変わらずあたしの首にあったけど、一か八か、動くしかない。
そう思って、また脚に力を込めて。
一気に地面を蹴ろうと思った、その時。