第13章 悪魔の実
あたしは次に来るだろう衝撃に備えてぎゅっと目を瞑り、身を硬くした。だけど。
「いったーーーい…ってあれ?痛くない?」
割と高いところから落ちた気がするんだけど。
そう思って下を見て、あたしはぎょっとして飛びのいた。
「ひぇっ!!」
「あれ〜〜〜!やっぱゆきんこじゃねェか!!」
「ウフフ、ついて来ちゃったのね」
「と、トラさん!?」
「…はぁ」
あたしの後ろから、ルフィ、ロビン、スモーカーさんの声と、ローのため息。
あたしは、なんでスモーカーさんがトラさんって呼ぶの?とか、敵に自分の心臓を渡すような人にため息吐かれる筋合いはない!!とか、一瞬でいろいろ思ったけど。
だけど、今はそんなこと言ってる場合でもなさそうだったからぐっと振り返るのを我慢する。
だってあたしが落ちたのは、ダクトの点検口のちょうど真下。さっきまでシーザー・クラウンが立っていた場所で。
だから、あたしがさっき踏みつけたのって、それはつまり。
「シーザー!?」
さっきまでローをいたぶっていたその男が、大の字になって伸びていたのだ。