第13章 悪魔の実
ま、まさか。
やるべきことってそれだったの!?あたしが雪の中に生き埋めにされてた時に、あなたは呑気にもそんなことしてたわけ!?
あたしはワナワナと震えながら、拳をぎゅっと握りしめて、ローに詰め寄りたい気持ちを何とか抑えた。
そして、改めてモネを観察する。よく見ればハッとするくらい綺麗な人だった。どこか冷たい微笑みを浮かべているけれど、彼女の神秘的な容姿のせいか、それすら怪しい美しさを際立たせているようにも思える。
見たところローより年上みたいで、話し方やその微笑みからは、あたしみたいな小娘では間違っても出せないような、大人の色気というか、余裕みたいなものが感じられた。
…ふーーーーん。なるほどね。
ローはそういう人がタイプなんだ。ふーーん。
すっかり鼻白んで檻の中のローを見つめてると、彼はなぜかシーザーの真上、ちょうどあたしがいる天井裏に一瞬だけ視線を走らせた。気がした。
そして、すぐにシーザーに目を移す。モネには返事をしなかったくせに、シーザーと話す気はあるようで。
「優秀な秘書に救われたな…。もっとモネを警戒しておくべきだった。"マスター"があんまりマヌケなんで、すっかりナメきってたよ」
なんて、行動の自由を奪われているとは思えないくらいの挑発的な態度を取る。