第13章 悪魔の実
そんなことを思いながら、よじよじ登っていると。
「……──。……?」
何やら微かな人の話し声が聞こえた。
「あれ、誰かいる…?」
まさかこんなダクトで人に蜂会うなんてことはないだろうから、多分、どこかしらの部屋の近くを通ったんだろう。
あたしはその声に注意を向けながら、梯子を登りきり、さらに奥に続くダクトを這って進んだ。
どうやらこのダクトはどこかの部屋の天井裏らしき所を通っているようだった。だって、さっきからだんだん声が近づいて来てるんだもん。
前方から何やら光が漏れているところから察すると、あそこにはダクトの点検口があるみたい。その隙間からこの下の部屋の光が漏れて、話し声も届いているみたいだった。
あたしはそのわずかな隙間に近づいて、そしてそこから聞こえてきた声に、思わず息を呑んで、薄く笑った。
「どうやらドンピシャだったみたい、ね」
ダクトの点検口を何とか開けて、部屋の中を覗き込むと。
そこにいたのはやはりあたしの思った通りの人物で。
「シュロロロロロ…」
つまり。
天井裏を這うあたしのちょうど真下にいたのは、ルフィたちを連れ去った張本人──シーザー・クラウンだったの。