第13章 悪魔の実
「「「逃げろォォォォ!!!」」」
閉ざされたシャッターの前に佇んでいると、後ろから、バタバタと海兵やケンタウロスが駆けてくる音が聞こえた。
彼らも我に返って、粘着質なスライムのような物体から研究所の方へ向かって逃げ出してきたようだった。
「あぁもう、のんびりしてる暇はないってことね」
目の前のシャッターが開けば、簡単に研究所に入れるんだけど。それが開かないことには、ここに留まっている理由はなさそうだった。
あたしは少し迷ってから、研究所の裏手の方へ向かって走る。彼らとご対面して、いい方向に転ぶ想像がつかなかったから。
あたしがルフィに抱えられていたのを彼らが見ていたかは分からないけど、少なくとも、海兵でもケンタウロスでも無いことは姿を見れば一目瞭然だろう。
この島では、自分の仲間でないのであれば、それすなわち敵だ。海兵たちにもローの仲間と思われている可能性が高いし、できることなら、顔を合わせない方がいいに決まってる。
だから、誰もいなさそうな方へ走り、あたしは完全に一人ぼっちになったのだった。