第12章 アウトサイダー
「マスター出てこーーい!お前をブッ飛ばして誘拐してやるぞーー!!!」
「声がでかいよバカ!!」
「ルフィ、それ内密にね」
無事、地面に降り立ち、一番に大声をあげるルフィにあたしがツッコみ、ロビンが静かに制す。
一時はどうなることかと思ったけど、命知らずの空中飛行も終わってみれば大したことな……いや、それは嘘だ。めちゃくちゃ怖かった。本当に死ぬかと思った。
あたし、ここに着いてから何回死にかけてるんだろう。次こそは本当に死ぬんじゃないだろうか。
なんて思って周りを見て、その"次"って今のことか、とあたしは肝を冷やした。
ま、まさかこんなところに落ちるなんて…。
そりゃ研究所に目掛けて文字通り"飛んで"きたわけだから、移動時間は大幅な短縮になっただろう。
だけど、まさかこんな。
──あたしたちを取り囲んでいたのは、埋め尽くさんばかりの海兵と、ケンタウロスの群れ。
おそらく彼らの睨み合いの中に、あたしたちが突っ込んできてしまったんだ…。と、あたしは瞬時に理解した。
どっちを取ったって味方というには厳しくて。
よりにもよってこんなところに落ちなくてもいいじゃない!!
あたしがごくりと唾を呑み込んでいると、フランキーが雄叫びをあげて研究所の扉に向かって突進していくのが見えた。どうやら扉をぶち壊す気らしい。
ケンタウロスたちがそれを止めるために彼らの周りに群がり、ロビンは海兵たちを制す。
そして真っ先に突っ込んでいくかと思ったルフィはというと、
「お前、ちょっと隠れとけ」
そう言って、混乱に紛れてあたしを雪の窪みに"埋めた"の。
…埋めた?