• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第12章 アウトサイダー


さっきは海賊と馴れ合うなって言ってたくせに、そ、それは彼なりの優しさと受け取っていいんだろうか…?


残されたあたしは困惑してその後ろ姿を見つめる。


突き放すような言い方をするくせに、一瞬見せる優しさというか、情というか、そんなものに期待してしまう自分がいる。


だけど、それをそのまま受け入れるには彼はあまりにも淡白すぎて。


だって結局、ローはまたあたしを放って行ってしまったんだから。


彼がここにいる理由は一切説明しないまま。


ルフィについて行くって言ったのは自分だけど、言わなくてもローは絶対にあたしを連れて行ってくれなかったのはあまりにも明白だった。


きっと、さっきみたいに何処かに置いて行って、ほとぼりが覚めた頃に、迎えにくるつもりだったんだろう。それも、その時彼があたしのことを覚えていたら、だけど。


最後、ルフィに声をかけていたけど、危険なら危険で、自分の傍に置いておくこともできただろうに、ローはそんなことはしない。


彼にとって、彼の"やるべきこと"が最優先事項だから。


一応、気に掛けてくれてはいるようだけど、必要以上に立ち入らせない、一定の距離感。


ほんと、冷たいのか、優しいのか分かんない人。



鬱々とローの真意を図り兼ねるあたしの横で、


「今のって怪我させるなっていう意味よね」

「アイツらほんとに仲間じゃねェのか?」


不思議そうなナミとウソップが首を傾げていたようだったけど、あたしの耳には入ってこなかったのだった…。



/ 716ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp