第12章 アウトサイダー
そんなことを考えていると、知らないうちに、これからの行動が着々と決められていた。
ローは麦わら一味の船医、チョッパーを担ぐ。どうやらローは子供たちの薬について調べるため、そして、彼自身の目的のために、一足先に研究所に向かうつもりらしい。
「麦わら屋、残りの仲間もしっかり説得しとけよ」
「ああわかった!!」
元気よく返事をするルフィを無表情で見返し、歩き出そうとする。
ちょっと待ってよ…!
あたしはそう言おうと思ったけど、さっきの、ローに愛想を尽かされたのでは、という思いが胸にあって、言葉が出てこない。
彼は、また行ってしまう。
あたしを置いて。
そんなことを思って呆然としていると、ローは何かを思い出したようにふと立ち止まった。
「──あぁ、それと」
そして、もう一度ルフィを振り返り、こっちを見もしないくせに、あたしを人差し指で差して話を続ける。
「そいつは能力者でもねェ只の女だ。怪我をさせるなとは言わねェが…お前が2年前のことでおれに恩を感じるなら、死なねェ程度に見といてくれ。──それで貸し借りは無しだ」
「おう、わかった!任しとけ」
最後にそう言って、彼は颯爽とその場を去ったのだった。