第12章 アウトサイダー
「な!ゆきんこも行くだろ??」
「…え?」
突然ルフィに聞かれてあたしはハッと我に返った。
なんだっけ。何の話だっけ。
あたし今完全に考え事しちゃってた。
あたしはぐるりと周りを見回して、状況を思い出す。
あたしがぼーっとしてる間に、みんなの中身が元通りになっていた。ローがちゃんと戻したらしい。
そりゃ、同盟組むって言ったんだから、麦わら一味が不利になるようなことはしないよね。
…ただ、ナミの体は今サンジが持ってるから、元に戻せなかったみたいだけど。
あたしはパチパチと目を瞬いて、ルフィが言ったのは何の話だったんだろうと思っていると、
「あら、聞いてなかったの?さっきあなた、絶対許さないって息巻いてたじゃない」
ロビンがウフフと笑う。
あたしが許さないって…?…ああ、そうか。
それを聞いて、あたしは何となく状況を察した。
…アイツの話か。
子供たちを酷い目にあわせてる張本人。
研究所の"マスター"と呼ばれるアイツ。
そうだ。あたしはつまらないことで悩んでる場合じゃないんだった。
ここには自由からかけ離れた運命を背負わされている子供が、こんなにたくさんいるんだから。
そう思ってルフィに意気込んで返事をしようとすると、
「こんな厄介なモン放っておけ。薬漬けにされてるらしい…」
いやに冷めた声が耳に飛び込んできた。声の主は…わざわざ顔を見なくてもわかる。