第12章 アウトサイダー
そんな様子を傍から一部始終見ていて、よくよく考えてみれば、完全なる部外者はあたし一人だけなことに今更気づく。
みんな麦わらの一味で、もれなく海賊で。
船長の決定に賛成する権利もあれば反対する自由もある。
あたし一人、海賊でもなければ、能力者でもない、ただの一般人で。
2つの海賊団とは何の関わりもなくて。
いっそ清々しいくらいに蚊帳の外。
そんなことを思って、なんだか彼らとの距離が一気に開いたような気がした。
縛られるものなんて一切なくて、常に自由な彼らを見てると、無性に遠い存在のような気がしてしまう。
今のあたしはそんな彼らと違わないはずなのに。
だってあたしは、あの島を出て、海を旅して、そうやって一人でここまできた。
自分の意思で。
だから、あたしも"自由"には違いない。
あたしと彼らの間には壁なんてない。
なのに、どうしてこんなに違うって思うんだろう。
…どうして、あたしはああはなれないって思ってしまうんだろう。