第12章 アウトサイダー
冷え切った目であたしを見下ろしながら、ゆっくり近づいてくるその人に向かって、視線を彷徨わせながら言ってみる。
「その…できれば、手を貸してくれない…?」
なんて無様なんだあたし。
足元に寝っ転がって動くこともできないで、怒ってるこの人に助けを求めるしかないなんて。くぅ、惨めだ。
だけどそんなあたしの態度がローは気に入らなかったようで。
さらに眉間に皺を寄せて凄んでくる。
「その前に言うことがあるだろうが」
「………勝手に出歩いてごめんなさい」
あたしはぐっと詰まってから、できるだけ彼の目を見ないようにして、小さい声で呟く。
不本意だ。
あたし別に、あの時もローの言うこと聞くって言ってないのに。
勝手に言うだけ言って、出ていったのそっちじゃない。あたしには怒られる筋合いなんてない!!
なんて、今の状況では口が裂けても言えなくて。
くそう、悔しい!!
あたしは黙って唇を噛むのだった。