第2章 旅立ち
ちらちらと葉の隙間からこぼれた光が道を差す。
さすがにここまでは追ってこなかったみたいね。
ふん、臆病なやつら。
さすがに疲れたので、隠れるのにちょうど良さそうな大きな木を見つけると根っこの窪みに腰を下ろす。
日が落ちるまでここでじっとしていよう。
暗くなるぎりぎりまでねばって、夕飯に間に合うように帰ればシスターにもバレないだろう。
大人たちに告げ口しないところがアイツらの少しだけ評価してもいいところだった。
プライドだかなんだか知らないけど、こっちとしてはシスターに怒られないのはありがたい。
シスターああ見えて怒ると怖いから。
疲れた足を休めて、身体中に付いた砂や葉っぱを払う。
せっかくのワンピースなのに、あちこちほつれて汚れて可哀そうなことになっている。
「これだから女の子の服って」
動きにくいしすぐに引っかかるし。
あんまり好きじゃない。
だけど、うちの教会の服はどこかの家からのお下がりだったり、他の教会から譲り受けたものだったりするから、選択の自由はない。
あるものを着る、それだけだ。