第12章 アウトサイダー
…ドォン!
まさに今出発しようという時だった。
その音が聞こえたのは。
「ねぇ、今なんか聞こえなかった??」
聞き間違いかとも思ったけど、ちょっと不安になって、ちらりとルフィを見上げてみる。
「何かしら…」
「なんだァ??」
隣を歩くロビンとフランキーにも聞こえたようだった。不思議そうに首を傾げている。
やっぱり??
なんか聞こえた?よね?
だけど、そんなあたしの疑問にルフィは返事をくれない。さっきまでのふざけ具合はどこへ行ったのやら、目を細めるようにして遠くを見ている。
彼にはあたしたちに見えない何かが見えているんだろうか。
そういえば、ローもルフィがやってくる時、視界に入る前から来るのが分かってたみたいだった。
能力者ってそういう勘がよく働くんだろうか。
ルフィを見ながら、この人そういえば懸賞金4億ベリーの賞金首だったな、なんて今更ながら思い出していた時。
彼は突然、ハッと何かに気づいたように目を見開いた。
「何かいる!獣みてェなのが2匹!!…お前ら、伏せろ!」
ルフィが振り返り様に叫んだ瞬間、
──ドォン!!!
ちょうどあたしたちの真上あたりの岩が爆発し、ガラガラと音を立てて崩れ落ちたの。まるで、何者かに狙撃されたかのように。
「「きゃああああ!!」」
「「「うわあああああ!!」」」
あたしたちの悲鳴と、
「百花繚乱(シエンフルール)…!!」
咄嗟に叫ぶロビンの声が重なる。
な、なななに!?
何が起きたの!?
「ロビン、助かった!」
「ええ、どういたしまして」
ルフィとロビンのやりとりを聞いて、ようやくロビンが能力で岩が落ちてくるのを防いでくれたんだと気づく。
にっこり微笑むロビンの美しさにくらくらしてしまう。
いやもう、かっこよすぎるでしょう…。
今度からロビン姐様って呼ばせていただこうかな。