第11章 疑惑の研究所
裏側へ回るために、あたしとモチャは研究所の周囲をぐるりと歩く。
思ったより急な上り坂が続いて、さすがに疲れを感じ始めていた、そんな時だった。
──ドォオン!!
聞こえてきたのはド派手な粉砕音。
次いで、ガラガラと何かが崩れる音。
「ルフィ!!」
誰かが麦わらの彼を呼ぶ声が聞こえて。
「おい、やっていいか!?」
「ダメだルフィ!どけ!!──"必殺"!"爆睡星"!!!」
──ボワン!!
そして、音が途絶えた。
あたしは聞こえてくる音の只事でない様子に思わず息を呑む。
なんでこんな激しい戦闘音がするのか、訳がわからない。
いるのは麦わらの一味?
だけじゃないの??
きっとこの岩一枚乗り越えたところに彼らがいる。そのくらいの近い距離。
モチャを守るように前に出てから、声を上げないように後ろに目配せをした。
そして、そっと岩陰から覗き込んで、
──あたしは目を見開いた。