• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第11章 疑惑の研究所


モチャが泣いているのを見ると、教会にいる妹や弟たちを思い出した。


あたしが何も言わずに出て行って、あの子達には訳分からなかっただろう。


ローに置いて行かれて泣いていたあたしが、あの子たちに全く同じことをしている。


そんな思いがずっと心の奥にあって。


だから、目の前で泣くモチャを見ると、どうしても放って置けない気持ちになるのだった。


あたしのせいで泣いてるわけではないのに、罪悪感にも似た思いが芽生える。


「ほんと…?」


モチャは涙をいっぱいに溜めた目をパチパチと瞬かせて、あたしを見上げ…いや、見下ろした。


「もちろんよ、行きましょ!」


あたしは元気付けるように笑顔で答えると、モチャの手を取る。


どっちに行けばいいのか分かんないけど、とりあえず歩いてきた方へ引き返してみようと思った。


もうあの無機質な部屋に戻る気にもなれなかったけど、いや、戻る方法すら分からなかったけど、何となくこっちのような気がして。



/ 716ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp