第11章 疑惑の研究所
「何した。あいつ、今…」
ケンタウロスの背中から誰か (多分ゾロって人だと思う) が呟くのが聞こえた。
あたしも、一体何したの!?って思ったんだけど、周りを見てそんなこと言ってる場合ではないと悟る。
だって。
「たしぎちゃーーーん!!」
「くそ、アイツ一度ならず二度までも!!」
「おのれええええ」
倒れていた海兵たちが起き上がってきたから。
ほんとにね…。
あたしもあなたたちに同感よ。
男女関係なくあそこまで冷酷になれる人、なかなかいないんじゃないの。
そうは思うものの、彼らに起き上がってこられるとあたしもちょっとまずい。
だってスモーカーさんは完全に、あたしを敵認定してたでしょう。
あの挑発的な視線を思い出す。
ローをぶっ倒すために、あたしの後ろから思いっきり十手を振りかざしてたからね。
あの時ローが引っ張ってくれたから、結局当たらずじまいだったけど、あのままあそこにいたらどうなってたことか分かったもんじゃない。あたしごとぶちのめす気だったんじゃないだろうか。
ゾワッ。
…うん、起きたら多分殺されちゃう。
海兵さんたちが起きたってことは、彼ももうすぐ目覚めないとも分からないわけで。
「ルフィ!急げ!!ここはヤベェ!」
麦わらの一味のどなたかが叫ぶ(今回は誰かわかんなかった!)。ルフィたちももうこの場を離れるみたいだった。
…そして、この時動き出したのは海兵とルフィたちだけじゃなかったのよね。