第11章 疑惑の研究所
ケンタウロスは近くで見ると思ったより大きかった。
どのくらいかっていうと、その背中に麦わらの一味があと4人くらい乗っかってもまだ余裕があるくらい。
そしてその誰も彼も、手配書で一度は見たことがある顔ぶれだった。
海賊狩りのゾロ。
悪魔の子ニコ・ロビン。
鼻唄のブルック。
狙撃の王様そげキング。
──やっぱり。
彼らはこの島に来てたのね。
あの電伝虫の情報はデマではなかったんだ。
ということはつまり。
他の仲間ももちろんこの島にいるってことよね。
そこであたしはハタと気づく。
…ん?
ってことは、やっぱり。
さっき走っていったのは麦わらの一味だったんじゃないだろうか?
ローが攻撃してたのは、麦わらの一味の他の仲間だったんじゃないだろうか!?!?
ルフィはニコニコしながら、2年前の頂上決戦で逃亡の一幕に手を貸したローにお礼を言ってるけど。
お前に会えてよかったって、そう言ってるけど。
ルフィ!
この人、あなたの仲間にさっき攻撃してたよ!
何食わぬ顔で喋ってるけど、あなたの仲間今大変なことになってるかもしれないよ〜!
…あたしはそう叫びたくてたまらないのだった。
ま、そんなことしたら「余計なことをするな」ってあの血も凍りそうな目で睨まれるだろうから、絶対しないけど。