第11章 疑惑の研究所
「な、なななな何あれ!?…ケンタウロス…!?!?」
そう。
上半身は毛むくじゃらの大男なのに、下半身は、馬…じゃなくて、え?ワニ?
なんとも奇妙な生物がものすごい勢いでこちらに向かってくるのだ。
驚きのあまり口をパクパクさせていると、ローが小さくつぶやくのが聞こえた。
「………麦わら屋」
「え!?」
あの怪物が麦わらのルフィ!?
うそでしょう!?
手配書と全然違うじゃないっ!!
トレードマークの麦わら帽子はどうしたのよ!
あれ、嘘なの!?
あ、あんな、人間かどうかもわかんない…。
「…さ、詐欺だ」
あたしが青ざめてどんどん近づいてくるその"麦わらのルフィ"を見ていると、ローが怪訝な顔をした。
「何言ってんだ。麦わら屋は…」
彼がそう言いかけた時。
ケンタウロスがあたしたちの前まで来たかと思うと、
「あれ〜〜〜!!?お前は〜〜〜っ!!!」
いつかの電伝虫から聞こえた、威勢のいい声が響き渡ったのだった。
その声はどうやら、ケンタウロスの背中に乗っている青年から発されたようだった。
モコモコの服を着て、麦わら帽子を被った青年。
手配書で見たことがある、その顔。
「む、麦わらのルフィ!?!?」
──ローが言っていたのは彼のことだったのだ。