第10章 再会
「お前ら仲間じゃねェのか」
同時に、あたしの後ろから聞こえたのは、スモーカー中将の声。
────え?
振り返るよりも早く、あたしは突然、前からぐいっと腕を引っ張られる。
「え、わっ」
そしてそのままバランスを崩し、引っ張った人──ローの腕の中に飛び込んで。
気づいた時には。
あたしはローに片腕で抱きしめられていた。
ローの硬い胸板に押し付けるように抱きすくめられる。
だけど残念ながら、ドキドキ、なんてそんな甘い展開じゃない。
だって、ローはあたしを片腕で自分の方に引き寄せながら、同時に、
──ガギィン!!
もう片方の手で持つ大太刀で、スモーカー中将の十手を受け止めていたのだから。
「ずいぶん行儀悪ィじゃねェか…白猟屋」
「隙なんか見せるからだろうが。仲間割れは他所でしてろ」
…あ、あたしの後ろから中将が攻撃を仕掛けてたってこと…?
ワンテンポ遅れて状況を理解するあたしを、ローは何も言わずにドン、と自分の背後に突き飛ばす。
「…っ…」
雪の上に乱暴に投げ出されて、ハッと振り返った時には、すでに戦況はがらりと変わっていて。
それはつまり、スモーカー中将が、ローの首を絞めつけているところで。