第10章 再会
そして、あたしは気づいた。
──ああ、そうか。
あたしは、"ローが"、そんな彼女を追い詰めるところを見たくないんだ。
ローの冷酷さは知ってるはずだったけど、目の前にするとあたしの中の何かが嫌だと言う。
海賊100人の心臓を奪い、王下七武海に入った彼。
その残酷さ、冷酷さを受け入れ切れていない自分がいる。
記憶の中のあの人にすがって。
目の前の人を受け止めることができない。
──ほんとに、自分勝手でわがままな感情。
甘いこと言うなと怒られるかもしれない。
また、殺しそうな目で睨まれるかもしれない。
──だけど。
あたしの中で、これ以上彼女を傷つけてほしくないという気持ちの方が勝った。
あたしは踏ん張って立ち上がると、その勢いで雪を蹴って駆け出す。
──間に合って…間に合え!!
それはちょうど、ローが彼女に斬りかかるところで。
あたしは一気に振り下ろされる刀とたしぎさんの間に、
「やめて…っ!!!」
──両手を広げて滑り込んだの。