第10章 再会
あたしはぺたりとその場に座り込んでしまった。
──そうだ。
ローはいつだって、手加減したりなんかしない。
彼はいつでも、相手にも、そして自分にも厳しいのだ。
自分に向かってきた敵は容赦なく、叩き潰す。
それがもう、戦意を失っている相手だろうと。
「気に入ったんならもっとキザんでやるよ」
挑発するような笑みを浮かべ、尚もたしぎさんに斬りかかろうとするロー。
他の海兵たちがたしぎさんを守るために応戦しようとしてるけど、全く話にならなくて。
───なんか、嫌だ。
突然、頭の中にその思いが駆け抜けた。
たしぎさんが、もう戦えない彼女が、ローにやられるところは見たくない。
なぜなら、あたしはたった数日間だったけど、ずっと優しくしてくれたたしぎさんに恩を感じていたから。
一瞬そう思ったけど。
…いや、違う。
もちろんそれもあるけど、これはそんな感情だけじゃなくて。
もっと自分勝手で、わがままな──。