第10章 再会
「おい、ガキ。コイツがお前の“親”か?ずいぶんと若ェじゃねェか」
「は…!?」
思わず素っ頓狂な声をあげてから、あたしは思い出した。
そういえばあたし、親を探してるって言って海軍船に乗せてもらってたんだった!
さすがにローを親と思ったわけじゃないと思うけど、“親”=“探している人”っていう意味の皮肉だとしたら、彼と知り合いだってことには気づいたのかもしれない。
だってあたし、ロー目掛けて走ってきちゃったし。
そりゃあスモーカー中将もなんかおかしいって思うよね。この人勘が働くんだもの。
あたしはどきまぎしながらこちらに背中を向けているその人に視線を移す。
そしたら今度はこっちを振り返ったローと目があった。剣のある金色の目で射抜かれる。
「おい、おれはいつからお前の親になったんだ」
その声から察するに、なぜかさっきよりお怒りのようで…。
「いや、それはまあ言葉の綾というかなんというか…」
何がそんなに気に入らないのか分かんないんだけど、しどろもどろになって言い訳を試みるあたし。
だってなんか人を殺しそうな目で見てくるんだもん!!怖い!!
ひたすらおどおどするあたしを見て、ローは眉間に皺を寄せ何かを言おうとしたようだったけど、ややあって、軽く舌打ちする。
「聞かなきゃいけねェことは掃いて捨てるほどあるが…全部後だ。黙ってそこで見ていろ」
そして、スモーカー中将に向き直る。
あたしはごくりと息を呑んで、結局押し黙った。