第10章 再会
途中でしっかり一回こけてから何とか気を取り直して立ち上がり、息を切らして近づいていくと、彼はスモーカー中将と何やら喋っているようだった。
何を話してるんだろう?と首を傾げていると、こちらを振り返らずに言葉を発する黒い背中。
「勝手にウロチョロするんじゃねェ。動くなと言っただろうが」
…よかった。
少なくとも、再会したのは幻覚じゃ無かったみたい。
じゃなくて!!
ああやっぱり。
…相当お怒りのご様子。
冷え切った声からそれが分からないあたしではない。
「ふ、不可抗力だったの!!」
思わず言い返した後、こちらに向いて立っているスモーカーさんがあたしを見ているのに気づいた。
視線がぶつかる。
すると、挑発するようにニヤリと笑う彼。