第10章 再会
…落ちながら、あたし、このまま死ぬのかな、とぼんやり思った。
だって、このまま落下して命が助かるとは思えない。
河に落ちてもあたし泳げないし。
氷の上に落ちたらその時点でお陀仏。
どっちにしても暗い未来しか見えない。
…あーあ。こんな死に方、冗談でも笑えないな。
だって、さっき聞こえたあの声は。
聞き間違いでなければ、あれは──。
そんなことを思いながら、あたしは落ちていくのをどうすることもできなくて、ただぎゅっと目を瞑った。
──だけど結局、あたしは河に沈むこともなければ、氷に衝突することもなかったの。
だってその前に、
「シャンブルズ」
───3回目の声が聞こえたから。