第10章 再会
「はぁ…これじゃ犬の"ハウス"と同じじゃない!」
あたしはおにぎりをもぐもぐ食べながら憤慨した。
お腹空いてるでしょう、これでも食べて待っていてください、と言って手渡されたおにぎり。これじゃまるでペットの手懐けだ。
大人しく従ってこうやってモリモリ食べてるあたしもあたしなんだけどさ!!
…一瞬、海兵たちがこの場を離れたら出て行こうかとも思ったのよね。
だけど、どうやら彼らは船からそう遠くないところにまだいるみたい。
だって、声が聞こえてくるんだもの。
あたしは船内の下層の部屋に案内されたんだけど、それでも海兵たちのざわめきがここまで響いてくる。
これでは船を出たところですぐに見つかってしまう。
こんなところで海兵たちを振り切って逃げたとしてもあたしに得がないのは分かりきっていた。
無駄に不審がられた挙句、敵だとみなされたら大変だ。
ルフィたちに会えたのならそれでも構わないけど、今のところ彼らがここに居るという確証は無いわけだし。
脱走してここに置き去りにされるのが一番イヤ。
だって炎と氷と毒ガスよ?
下手すりゃ死ぬ。
いや、下手しなくてもあたしなら死ぬ。
だから、あたしはこうやって言われた通り船内に残っているのだった。いつに無く冷静な自分に我ながら感心するよ。