第10章 再会
「何でこんなことになるかなぁ…」
──その数時間後、あたしは誰もいなくなった船内で1人、ため息をこぼしていた。まさに置いてけぼりとはこのこと。
まさか、こんなことになるなんて。
あたしってつくづく損な役回りだよなぁと思いながら、もう一度ため息をついて、手に持ったおにぎりを一口かじった。
──パンクハザードへは思ったより早く着いた。
どんなところかは知らないけど、少なくとも雷の島よりはマシだろうと思ってたあたしは、島が見えた瞬間、度肝を抜かれることになった。
だって、その島は半分燃えていて、半分凍っていたんだもの。
どうしたらこんな島ができるの?なんて、新世界では愚問に等しいのかも知れないけど、あたしはやっぱり疑問に思わずにはいられない。
だけど、珍しくその疑問には答えがあった。
そしてそれは例にもよってたしぎさんが教えてくれた。
「この島がこんな気候になったのは、赤犬と青雉の決闘が行われたからなんです。当時海軍大将だった2人の戦いは、10日にも及んだと言います。…結局、赤犬が勝ち青雉は海軍を去ることになったのですが」
そう言いながら、たしぎさんの頬にも冷や汗が伝う。
そりゃそうだ。
天候を変えるほどの戦いってどういうことよ。