第10章 再会
あたしは緩みそうになる頬をきゅっと引き締めて、もう1人を探しに行くことにした。
「あたしのことは気にしないでください。船に乗せて頂いているだけで十分ありがたいことなので。…それで、あの、スモーカー中将は…?」
だって今の話、もう少し聞かないと。彼は麦わらのルフィが向かう島に、見当でも着いてるんだろうか?
確か、新世界のログポースは指針が3つあると聞いたことがある。
魚人島からやってくる彼らはそのうちのどの島を選ぶのか。あたしにはちっとも分かんないけど、スモーカー中将に考えがあるならぜひ聞いてみたい。
「多分船首あたりにいるんじゃないでしょうか。さっきから、雲行きが怪しくなってきたってずっと仰ってましたから」
「雲行き…ですか?」
たしぎさんの言葉に、あたしは空を見上げて不思議に思う。今のところ、これ以上ないくらい晴天だけど。
「ええ。あの人には何か見えてるみたいです」
たしぎさんもちょっと首をかしげてそんなことを言う。
ふーん。
熟練の海兵の勘、みたいなものだろうか??
あたしは釈然としないまま、とりあえずたしぎさんにお礼だけ言うと、教えられた通り船首に向かった。