第10章 再会
1人はすぐ見つかった。
「あら、起きたんですね。体はもう大丈夫ですか?」
早速話しかけに来てくれたから。
「はい!たしぎさん。ご迷惑をおかけしました」
「そうですか。なら、良かったです。おそらく気圧にやられちゃったんでしょうね。マリージョアは高地にあるから。並の人じゃあ体調を崩しちゃうこともあるんですよ」
それでも2日も目覚めないのはちょっと不安になりましたが。そう言いながら、少し心配そうな顔をするたしぎさん。
実際は気を失った理由はちょっと違うんだけど、説明なんかできるわけないから、あたしも納得したように頷いた。
「たぶん、旅で疲れてたんだと思います。ご心配おかけしてすみませんでした」
頭を下げて、それから早速気になってたことを聞く。
「あの、今はどのあたりにいるんでしょうか?もう"新世界"に入りましたか?」
「ええ。2日ほど前から」
たしぎさんはあたしの質問に頷き、それからちょっと眉を曇らせた。
「あなたをどこかの島まで送り届けるつもりですが…残念ながらちょっと先になりそうですね。スモーカーさんは、"麦わら"が魚人島から出てきたところを捕まえる気みたいなので」
ぜひとも麦わら海賊団に会ってみたいあたしにとってはそれはむしろ好都合。ますますこの船に乗せてもらえて良かった。
って思ったけど、それはぐっと心の中に押し留める。
「そうなんですね…。わかりました」
たしぎさんは本当に申し訳無なさそうにしてくれてるから、間違ってもラッキーなんて言っちゃあいけない。