第10章 再会
「「「うぉわっっ!!」」」
扉を開けると、驚愕した顔の海兵さんたちに出くわした。
居ることは分かってたとは言え、予想以上にのけぞられてあたしまでぎょっとする。
「おはようございます…?」
そんな幽霊を見たような顔しなくてもいいじゃない。起きちゃまずかったのかと不安になるじゃないの。
そんなことを思っていると、たっぷり一呼吸置いてから海兵たちは口々に騒ぎだした。
「あああ、よかったぁ」
「トラちゃん死んじゃうんじゃねェかと思ったぜ」
「ばか、縁起でもねェこと言うなよ」
あたし、そんな死相漂う寝顔してた…?
ちょっと心配になるあたしに、海兵はさらに驚くようなことを言ったのだった。
「だってトラちゃん、丸2日も寝てたんだぜ」
「ふ、2日!?!?」
マリージョアに着いてからもう2日も経ったってこと!?
夢の中ではせいぜい、数十分の感覚だった。だって今お腹も空いてないし、寝過ぎた時特有のあの体のだるさも全然ない。
それなのに、2日間も眠ってただなんて…。
にわかに信じがたい。
あたしはハッと辺りを見回す。
そこは、海軍船で、あたしは海の上だった。
ぐんぐんどこかに向かって進んでいる。
今どのあたりにいるんだろう?
マリージョアを出発して、"新世界"に入ったってことであってる??
「ご心配おかけしてすみませんでした!」
心配してくれていた海兵たちにぺこりとお辞儀してから、あたしは少し焦って目線であの人たちを探す。
早くここがどこか、聞かないと。