第9章 マリージョア
「あなたたち!女の子が珍しいのは分かるけど、さっさと荷物を運びなさい!」
「違うぜ、たしぎちゃん!おれら別に余所見してるわけじゃねェから!」
「そうだぜ、おれらのアイドルはたしぎちゃんだけだからな!!」
母親のように叱りつけるたしぎさんと、謎の弁明をし始める海兵たちを見ながら、あたしはふふっと笑ってしまう。
彼らは海軍のG-5支部という部署で、普段は新世界にて窓際部署のような役割を果たしているらしい。
だけど、スモーカー中将の個人的な因縁で、麦わらの一味の噂があればシャボンディ諸島付近にもたまに船を出す、という。
約2年ぶりの、信憑性の高い麦わら海賊団の情報。
彼らも早く先を急ぎたい気持ちがあるのだろう。わいわいと話しながらも、手際よく荷物を運んでゆく。
麦わらの一味とできれば友達になりたいあたしにとっては、実は今の状況ってかなり複雑な気持ちなんだけどね…。