第9章 マリージョア
そんなこんなで、死ぬ思いでシャボンディ諸島にたどり着いたのがついさっきのこと。
そして着いたとたん、あたしはなんかおかしいぞ、と思った。
だって、その時の海軍の多さときたら、ものっすごかったんだから。
海岸という海岸に海軍船が密集していて、シャボンディ諸島が初めてのあたしですら違和感を感じるくらい。
思わず、近くにいたスレンダー美人(これが今目の前にいる女性──シャッキーなんだけど)に聞いてみたら、なんと、麦わらの一味が小一時間ほど前に出航したと言うの。魚人島へ向かって。
ビビの友達で、ローと同じ最悪の世代ルーキーで、頂上決戦以降パッタリと音信が途絶えていた彼ら。
そんな彼らがついさっきまでここにいたと。
「あともう少し早く着いてたら、しがみついてでもついていったのに…」
ショートパンツから伸びる素足をカウンターの下でぶらぶらさせながら不貞腐れてつぶやくあたしに、
「もういっそのことゆっくり観光していけばいいじゃないの」
シャッキーは気軽にそう言って笑うけど。