第8章 決意
「恋をしてない私がこの大役を仰せつかるのは無粋ってものでしょう??」
ビビは至極当然のことのように言うけれど、
「待ってよ!それならあたしだって…」
思わず声を上げるあたしに、ビビはいたずらっ子のように笑うのだ。
「はいはい。この間誰かさんに会いたいって泣き叫んでいた可愛らしい女の子は誰だったかしらね」
「なっ…!!」
これにはあたしも顔を真っ赤にして黙り込んでしまうのだった。
そういう、意味で言ったんじゃないのに…。
あたしはぶつぶつ文句を言うけど、だけどビビは無事終わったらお金も出すし、次の島まで乗る船を紹介するとも約束してくれた。
そう言われたらやらないことにはいかない。
あたしはため息をついて、この大役を受けることにしたのだった。