第1章 夢
「ただいまーー」
若干力なく教会横のあたしたちの家をドアを開けると、鉄砲玉のように子供たちが飛び出してきた。
「アウラねぇ!おかえり!」
「アウラおせぇ!お腹すいた!」
ごめんねぇ、遅かったねと笑いながら子供達を押して台車も家の中に入れてしまう。
いい匂いがする。
うーん、今日の夜ご飯はシチューね。
「アウラ、おかえり」
シスターも笑いながら出迎えてくれた。
自然と笑みがこぼれる。
「今日いろいろ買ってきたから、荷ほどきだけ先にしちゃうね」
台車から荷物を取り出していると、わらわらと子供たちが寄ってきて一緒に手伝ってくれる。
みんなから石鹸のいい匂いがした。
この子たちの笑顔を見てると1日の疲れが取れていく気がするのは何かの魔法かな。