第8章 決意
ビビに想いを打ち明けてから数日後。
「ねぇ、これはどういうことなの…?」
あたしは鏡の前で困惑していた。
「あら、あなたがバイトしたいって言ったんじゃないの」
「似合ってんじゃん、頑張れよ」
隣にはしれっと言ってのけるビビとニヤリと笑うナーティ。
絶対面白がってる…!!
ふくれっつらをしてみるものの、ここまできたらあたしも腹を括るしかない。
あたしは鏡を見て、もう一度ため息をついた。
あたしは今、これ以上ないくらい綺麗なドレスを身にまとっていた。
繊細で肌触りの良い生地に、薄い青色の花が散りばめられたデザインの純白のドレス。
首回りは大きく露出していて、本当は細い肩紐があるんだけど、これがかなり細いもんだから傍目には見えないと思う。
髪の毛にも服と同じ薄い青色の花が飾られ、呆然としている間にその上から半透明のヴェールをかぶせられた。
「結婚式…?」
思わずつぶやくと、ビビが隣で頷いた。
「あながち間違いでもないわよ。今日開かれるブルーロータスの祭りで一番初めにサンドラ川に花を流す人を"ロータスの花嫁"って呼ぶくらいだから」
「…はぁ」
あんまりピンときていないあたしに、ビビはもう一度説明してくれた。