第8章 決意
「私ね、本当は彼らと一緒に行きたかったんだ」
そのビビの言葉が、どうしようもなくあたしの心に刺さる。どうしてかは分からないけど。
「でも、行かなかったのね」
「うん。私はやっぱりこの国を愛していたから」
困ったように笑う彼女。
だけどその顔に後悔の色はなかった。
ルフィは白ひげとエースを失った頂上決戦を境に、ぱったりと表舞台から姿を消している。
その仲間も今どこで何をしているのか全く分からない状況だ。
だけど、彼らはきっと無事だと、彼女は一点の曇りもない眼差しでそう言う。
そして、一緒に旅をしていなくても彼らとはずっと仲間だ、とも。
「アウラは、これからどうしたい?」
突然話題を振られてあたしは困る。
どうしたい?ってそりゃあもちろん、ミカヅキ島に…。
そう思った時、不意にさっきのビビの言葉が耳の奥でこだました。
『私ね、本当は彼らと一緒に行きたかったんだ』
麦わらの一味と冒険を続けたかった彼女。
だけど今はアラバスタの国民のためにこの国に留まっている。
それは彼女自身の意思であり、使命だから。