第8章 決意
街はずれの広場のベンチに腰掛けて、2人でパンをかじりながら世経を開く。
そして何気なく見出しを見て、その瞬間、あたしは口からパンを落っことしてしまいそうになった。
『トラファルガー・ロー 王下七武海に』
「うそ…でしょ」
強い強いとは思っていたけれど、いつのまにそんなに強くなっていたの。
それに、どうして七武海なんかに…。
あれは世界政府側についた海賊のことを言うんじゃなかったっけ。
それって、あなたの追い求める自由からはひどくかけ離れた存在なんじゃないの?
「七武海…?」
驚くあたしの隣で、ビビが険しい顔をしたのがわかった。
そうか、アラバスタ乗っ取りを企てたクロコダイルも七武海だったんだっけ。
…でもローは。
ローはそんな悪党なんかじゃない。
そう思うのに、記事にはますます驚くようなことが書かれていて。
『──海賊の心臓100個を海軍本部に届け、七武海入りを果たした』
…心臓、100個。
きっと、とんでもない極悪人の心臓をってことよね。それこそ、ポアロ教会や商船を襲ったような。
これにもきっとわけがあって。
だから、ローはあいつらとは違う。
違う、と思うのに。
どうして。
どうしてこんなに不安な気持ちになるんだろう。