第8章 決意
かれこれ1年くらい前の話だというけれど。
王下七武海の一人サー・クロコダイルという男が、恐れ多くもここアラバスタ王国を乗っ取る計画を企てたという。
彼の作戦はなんとも巧妙で、国民をうまく騙して国民自らに反乱を起こさせるというものだった。
王家に対して反旗を翻した国民を王国軍が何とか鎮め、一方で、たまたまアラバスタにやってきていた"麦わら一味"がクロコダイルを打ち破った時には、この国は崩壊寸前だった。
そして、今現在も復興の真っ最中なのだ。
確か当時、麦わらのルフィがクロコダイルを破ったことは世経か何かで読んだ気がしたけれど、その舞台がこのアラバスタだったなんて、まったく覚えていなかった。
ビビは、時間はかかるかもしれないけど、他の捕虜の人々のためにも故郷に帰れるように尽力するとは言ってくれているけれど…。
こんな話を聞いて、これ以上甘えられるわけがない。
あたしはどうやら本当に悲しみに浸っている場合ではないみたいだった。
これからのことを考えないと。