第8章 決意
数週間が経った。
あたしの体はずいぶん良くなった。
本当はもっと早く良くなるはずなんだけど、医者が言うにはあたしの体はとんでもなく治癒が遅いらしい。
確かに言われてみれば、今までもちょっとした怪我とかでも治りにくかったような気がしないでもない。
「調子はどう?」
青色の髪の美少女──ビビが柔らかく微笑む。
その後ろからナーティもひょこっと顔を出す。
「うん、上々」
ビビとナーティは毎日のように見舞いに来てくれた。
ナーティは言うまでもないけど、ビビも一国のお姫様と思えないほどおてんばで、だから2人とも気が合うみたいだった。
パトロールと称して、2人で国の果ての方まで超カルガモ部隊で遠乗りに行ったりしている。
ビビの世話係(イガラムさんと言ったっけ)は、姫がますますじゃじゃ馬になると嘆いていたけれど。
だけど2人がそうやって、毎日のように街や城での出来事を話してくれるもんだから、あたしもそれを楽しみに過ごすことができたのだった。