第7章 純潔を失った天使は
【庭園】
「(学校休んじゃった…)」
頭がくらくらして
やっぱり、貧血……?
「……………」
腰も痛いし
身体中が痛い……
「(私の、身体…キスの跡と…噛み跡と…数え切れない、アヤトくんの……)」
首元を隠すタートルネックを着ていなければ、アヤトくんが無理やり付けた跡が見えてしまう。
「(泣いてもやめてくれなくて…痛いって叫んでも…放してって言っても…アヤトくんは聞いてくれなかった…)」
それどころか、口を塞ぐようにキスを繰り返して、怖がる私を見て…笑っていた。
「(あんなに痛いんだ…処女を喪うと…。私のハジメテがあんな形で無理やり奪われるなんて…)」
私、どうなっちゃうの?
「っ……怖い……」
ぎゅっと胸の前で掌を握りしめる。
「……あれ?ここ……どこ?」
知らないうちに迷ってしまったらしい。むせ返るような薔薇の香りがする。考え事をしながら歩いていたのか、庭園に来た記憶が全然ない…。
「こんなところにいやがったのか」
「!」
「学校サボってナニやってんだ、オマエ?」
「あ……アヤト、くん……」
私は目の前に現れたアヤトくんを見るや否や、恐怖で身体が震え、後ろに後ずさる。
ガシッ
「おっと、それ以上は行かせねぇぜ?」
アヤトくんに腕を掴まれる。
「ふらふら歩いてんなよ。薔薇のトゲで傷ついて、無駄に血が流れたらどうすんだ?」
「(怖い……)」
「オレ以外のもんが、オマエを傷つけるなんて許さねぇ。……分かったな?」
「(やだ……放して……)」
「…チッ、こんな邪魔なもん着やがって」
「あ……!」
タートルネックの首元をぐいっと下に引っ張り、首筋が顕になるとアヤトくんはそこに唇を寄せる。
「……ん……」
「っ………」
「…………?」
私は恐怖で固まった。
「ククッ、なんだよ?顔真っ青にさせて。あぁ…昨日は嫌がるオマエを押さえ付けてオレ様が無理やりオマエの処女を奪っちまったんだもんなぁ?」
「お、お願い…放して…」
「バーカ。放すわけねぇだろ。オマエはもうオレ様のもんなんだからな」
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