第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「ライトくん」
「ん?」
「私はその特別な者がライトくんだと信じてる。だから…その…私と一緒に…」
「いいよ」
「え?」
「そいつにかけられた呪いを解くんでしょ。お花ちゃんから呪いの件を聞かされた時点で、もうボクの中で答えは決まっていたからね」
「ライトくん…」
「それに君を愛せるのはボクだけだよ」
「うん。私と一緒に呪いを解いて、ライトくん」
「大事な花嫁さんのためなら喜んで」
優しい口付けが降る。
「(もう天界には戻れない。私の中にはライトくんの…魔族の血が交ざってる。それに魔族と繋がってしまったという禁忌を犯した。私は天使である自分を犠牲にして、彼からの愛を求めたのだ──。)」
ズキッと胸が痛んだが、気付かないフリをする。
「ねぇお花ちゃん」
「なに?」
「今までよく一人で頑張ったね」
「っ…………」
まさかライトくんの口からそんな言葉が聞けるとは思わず、目を丸くする。直後、じわりと目尻に温かい雫が浮かんだのが分かった。
「相変わらず泣き虫さんだね〜。もっと泣かせたくなるじゃない❤︎」
「変態…」
「んふっ。最高の褒め言葉をありがとう」
ライトくんも相変わらずで、零れそうになった涙はすぐに引っ込んだ。
「好きだよお花ちゃん」
「!」
「お花ちゃんからも聞きたいなー」
「…好き、ライトくん」
嬉しそうに笑って、ライトくんは頬に軽く口付ける。
「これからもボクの愛を受け止めてね」
繋がれた手にギュッと力を込められた。
next…