第6章 芽生えた感情の名は
「や、やだ…!見ないでよ…!」
バシャンッ
「きゃあっ!」
「ハハッ、ぜーんぶずぶ濡れ!」
「ひ、ひどい…!」
髪についてるリボンまで濡れてしまった。
「あー、悪ぃ悪ぃ。ほら、拭いてやるからコッチ来いって」
「え……!?」
「…………ん。」
「や………!」
腕を引っ張られ、机の上から下ろされる。驚く私にアヤトくんは肌に残る水滴を吸うように拭ってくれる。
「……っ……ククッ、次から次へと滴ってくる…キリがねぇな」
「も、もういい!やめて、アヤトくん…!」
「ククッ」
「掃除するんでしょ!?私で遊んでないで早く離れて掃除しようよ…!」
「掃除よりオマエで遊ぶので忙しいから無理」
「な、何それ!っあ……!」
「お。イイ声。ただ触れてるだけなのに。オマエはこんなに感じちまうんだもんな?」
チュッと耳にキスをされ、ビクッと体が反応してしまう。
「ハハッ、いい気味だ。媚薬でも盛られてんじゃねぇってくらい、敏感に反応しやがって」
「違ッ!もう!アヤトくん…!」
「普段はクソ生意気で腹立つのに、こうやっていじめると急に弱くなるんだよな。すげーイイ気分。」
「んっ……!」
「そうやってオレに遊ばれてろ。もっともっと…いじめ抜いてやる。オマエがオレに好きって言いたくなるくらい…な。」
「アヤトくんが…私を好きにならないと絶対に言わない…っ!というか生意気なのはアヤトくんの方でしょ…!」
「へェ……」
アヤトくんの声が低くなったのが分かった。
「マジでナマイキだなオマエ!」
「だからそれはアヤトくん!!」
「オレのこと好きなくせに意地張りやがって!素直に好きって言え!」
「私からは絶対に言わない!!」
「ンだと!!」
「(だから早く私を好きになって。そうしたら私もアヤトくんが好きって伝えてあげるから…。)」
「まぁ、クソ生意気な方がイジメがいがあるってヤツ?……んっ。」
「ひゃっ……!」
「屈服するまで舐め尽くしてやるよ。ククッ、頑張って耐えろよ?」
「んんっ……」
どんなことされたって……
絶対屈指ないんだから……!
そう強く決めたのだった。
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