第6章 芽生えた感情の名は
「しっかり狙って、球突いてみろ」
「う、うん」
さっきアヤトくんが教えてくれた通りにやってみるが…
「(左手の握り方はこうで…)」
「ちゅっ。」
「ひゃっ!?」
「どうした?さっさとやれよ。チュッ」
「やっ…あ、アヤトくん!」
「んっ…チュッ…チュッ…」
「んやっ…あ…んん…っ」
啄むようにアヤトくんは何度も耳にキスをし始める。くすぐったさに身を捩れば、逃がさないように身体を密着する。
「さっさと始めねぇと耳の穴ン中に舌入れんぞ」
「!?」
「ククッ」
「(キスされながらなんて無理だよ…!うぅ…キューが安定しない…!)」
「……………」
「あ、アヤトくん…一度耳にキスするのやめ…」
恥ずかしくて泣きそうになれば、突然アヤトくんにキューで身体を突っつかれる。私は驚いた顔で振り向いた。
「な、何?い、痛いんだけど…」
「ぐずぐずしてるからお仕置き」
「あ、アヤトくんが邪魔するから真剣に狙えないんだよ!」
「遅せぇ!」
「……いたっ!」
「キスしてる間体ビクビクさせやがって。そんなに気持ちいいのかよ、この淫乱女」
「違…ッ!」
「この辺とか突かれると…ほらっ」
「え?んあっ!ちょ、ちょっと…!」
「あー、悪ぃ。手が滑ったわ」
「(む、胸の先に…キューが擦れ…っ)」
「今の気持ちいいところ当たっただろ?胸の先端がキューの先っぽで擦れて、高い声出たなぁ?ククッ」
「っ………!」
「こんなのにも感じんのかよ?」
アヤトくんがククッと笑いながらキューの先っぽを弄ぶ。
「感じてない!」
「でも気持ちいいって顔に書いてあるぜ?」
「あ、アヤトくん…!!」
「もっとコレで擦ってやろうか?」
「い、いらない…!」
「遠慮すんなよ」
「こ、これじゃ…ビリヤードなんてできないよ…!」
「いいじゃん、別にさ」
「アヤトくんがやりたいって言ったくせに!」
「だってなぁ、ビリヤードより…」
「っ………!」
「こっちの方が面白ぇからさ。ククッ」
「(絶対こうなると思ってた…。)」
結局アヤトくんに吸血されるのだった。
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