第5章 変化する気持ち
「早くしろよ。やらねぇなら…いつまでもこのままだぜ?」
「うぅ……」
犬って何やればいいの…?
四つん這い…?
でも土の上だと膝が汚れちゃうし…
「(でも…やらないと外してもらえないし…。はぁ…仕方ない…)」
私はその場で四つん這いになる。
「……ん?」
「こ、こう?」
「オマエ…何エロいポーズしてんだよ?」
「え、エロくないでしょ!ワンちゃんのポーズ真似ただけで!」
「ふぅん。そんなポーズしてると、オレがこの間つけた胸元のキスマーク、見えるな」
「え!?嘘…!?」
「動くな。」
「で、でも…」
「ほら、まだ終わりじゃねぇだろ?」
「え?」
「…さっきのヤツがやってたこと、あんだろ?やれよ」
「(さっきのって…顔を舐めろと!?)」
「早くしろよ。ホラ」
四つん這いになったままの私の前にアヤトくんが近寄り、その場にしゃがみ込んだ。
「え、えっと……」
ええい!もう!
恥を捨て、私はアヤトくんの顔をペロッと舐めた。
「……っ……」
「うぅ…恥ずかしい。こ、これで満足でしょ?」
「…いや?足りねぇなぁ」
「っ!?」
「ん……っ、チュッ」
「んんっ……!」
「……っはぁ。これくらいはしてもらわねぇとな。ん……チュッ」
「犬はこんなことしません…!」
「ククッ。よし、次は……」
「ま、まだあるの!?」
「言っただろ?オレが飽きるまでって。そーだなぁ…ああ、コレがいい。オマエもこっち来い」
腕を掴んで立たせると、アヤトくんに引っ張られ、ベンチに移動する。
「ベンチ?隣に座ればいいの?」
「違ぇよ。オマエが座るのは…ココだ」
「ひ、膝の上!?」
「抱いてやるっつってんだ。有難く来いよ」
「む、無理!」
「無理じゃねぇ!」
「わっ……!」
しぶる私にシビレを切らしたアヤトくんがグイッと腕を引っ張り、私を膝の上に乗せる。
「やっ…!恥ずかしいってば…!」
「よーしよし」
「や、やだっ、くすぐったい…!」
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