第4章 神の御遣い

「こういうのが好きなんだろ？ん……っ……隠すなよ」



「か、隠して…ない……っ」



「オレのキスでとろけた顔させておいて何言ってやがる。本当は気持ちよくて仕方ねぇ淫乱女のクセに」



「い、いんら……っ」



聞き慣れない言葉に顔が真っ赤になる。フッと小さく笑ったアヤトくんはまた唇を重ねた。



「はっ……ん……」



「(血を吸われる時とは違う。優しく、求められるような…頭が、ふわふわする…)」



「ククッ。なあ、地味子。キス程度であの反応ってことは…オマエ、処女だろ？」



「な……！」



「……………」



「あ……やっ！な、何……!?」



「ナニって…決まってんだろ？ヤルんだよ」



「は？ヤルって…、っ……！」



アヤトくんの手がブラウスの隙間から入ってきて、私はビクッと顔を強ばらせる。



「冗談やめてよアヤトくん！」



「キスしながらこのまま押し倒して、犯しちまおうか？痛みで泣き叫ぶオマエの顔を見るのも悪くねぇ」



「ダメに決まってるでしょ!?」



「とか言って、本当はオレにヤられたくて期待してんだろ？」



「期待なんてしてない！」



「光栄に思えよ？ハジメテでオレにシテもらえるなんてさ。……ん。」



「や…やめて…っ！」



首筋に顔を埋めて、肌にチュッとキスをするアヤトくんが怖くて私は叫んだ。



ガチャッ



「あぁ!?」



「…失礼。お邪魔だったようですね」



「レイジさん…！」



助かった！



「おおおい！シチサンメガネ！テメェ、いいところで邪魔しやがって！」



「邪魔されたくないのであればご自分の部屋でどうぞ。ここは公共の場ですよ。私は物を取りに来ただけですので、続きはご自由に」



「そ、そんな…！」



「それと、次にシチサンメガネと言ったら、貴方のその口を焼き火箸で二度と開かないようにしますよ」



「…………」



「どうしたんです？私のことは気にせずどうぞ」



「……チッ、あーあ！萎えた。帰るわ」



「おや、そうですか」



「(と、とりあえず助かった…。もしかして…レイジさん、助けてくれたのかな？)」



私はホッと安堵の表情を浮かべた。



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