第4章 神の御遣い
「どうして此処が…」
「あ?オマエがどこに隠れようとオレ様がオマエを見つけ出せねぇワケねぇだろうが」
「……………」
「さぁ地味子、話の続きだ」
「(もう…逃げきれないか。)」
口許を歪めて笑うアヤトくんに謝罪をした。
「…ごめんなさい」
「ああ?なんで謝んだよ?」
「逃げちゃったから」
「ふうん?」
ドンッ!
「っ………!」
壁に手をついたアヤトくんが私を見下ろす。
「謝んならさぁ、ちゃんとオレの目ぇ見ろよ」
「……………」
「見ろっつってんだろ!」
「…………!」
両手で捕まれ無理やり顔を固定させられる。
「(う…やっぱりアヤトくんの顔を見ると…思い出しちゃう。)」
「……………」
「(ち、近い…!)」
「オマエ…」
「?」
「はっはーん、なるほどなぁ」
「な、何!?」
「ククッ、顔が真っ赤になってんぜ?バレバレだっつーの」
可笑しそうに笑ったアヤトくんが私の頬にするりと手の甲を撫でるように滑らせる。
「や、やだ、触らないで…!」
「原因はコレだろ?」
顔を近付けたかと思えば、唇の端にアヤトくんの唇が触れた。
「っ………!」
「ククッ、今のはわざと外してやったんだぜ?」
「もうっもう…!またキスして…!」
「そーいやぁ、オマエ、アレがファーストキスだったんだもんな」
「…………!」
な、何が可笑しいの!?
「あれは…あんなのキスじゃない!ただ血を吸っただけでしょ!?」
「ふぅん?」
ドンッ
「いった……っ」
肩を掴まれ、壁に押さえつけられる。
「なら…また奪ってやるよ」
「え……」
「んっ……」
「……っ……んん。」
やだって言ったのに…!!
「……はぁっ」
「やめ……っ……んんっ」
「……チュ……んっ」
「(この間は…唇も舌も噛まれてあんなに痛かったのに…今日は…痛くない。普通の…恋人同士みたいな…キス。)」
「……っ……はぁ。…ククッ、なんだ、気持ちいいか?顔がとろけてきてんぜ?」
「そ……な……っ、ん……」
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