第22章 唯一望んだもの(❤︎)
目尻に浮かぶ涙をライトくんは舌先で、ぺろっと拭うように舐め取った。それに驚いた私は恥ずかしさが込み上げ、顔を紅く染めながらライトくんとジッと見つめる。
「なぁに、じっと見つめても口で伝えてくれなきゃ分からないよ?」
「ライトくん…」
「上目遣いで誘ってもダーメ。」
「うぅ……」
「すぐ後ろにベッドがあるのに何を躊躇してるのさ。キミが今ボクにしてほしいことをその小さな口で言えばいいだけだよ」
「(そうは言っても…とても自分の口からは恥ずかしくて言えない。)」
横目でチラリと後ろにあるベッドを見遣る。いつまでも黙ったままの私に痺れを切らしたのか、ライトくんの指先が私の顎をくいっと持ち上げ、顔を近づけた。
「ライトくん…?」
「早く言えよ」
「っ………」
低くなった声色にぞくりと身体が震える。それに気付いたライトくんがクスッと笑った。
「前から思ってたけど、お花ちゃんって、こういう感じのボクも好きだよねえ」
「え?」
「ボクが声を低くして迫ると、いつも身体をぞくぞくって震わせてるの、知ってるんだよ…?」
「!!」
「あ、図星だね?ほんとお花ちゃんはえっちで淫乱なドMなんだから♪んふっ。」
「そ…んなんじゃ…!」
「えっち、したくないの?」
「……………」
きっとライトくんには私の心の内は見透かされている。もしここで拒否したら彼は本当にやめてしまうかも知れない。
「…す、る…」
「えー?なぁに?聞こえないよ」
「ら、ライトくんと…その…シ、たい…」
「ナニを?」
「(っ!わかってて聞いてる…!)」
「お花ちゃんはボクとナニをシたいの?」
「あ、ぅ……」
顔から火が出そうな程、その言葉を口にするのは恥ずかしかった。
「(でも…私も勇気を出さなきゃ。)」
羞恥を堪え、ぐっと掌を握り締める。
「ライトくんと…えっちが…シたい、です」
「んふ…よく言えました。エラいねお花ちゃん。ご褒美にうんと可愛がってあげる」
「(うぅ…恥ずかしくて死にそう。)」
「じゃあ脱ごっか♪」
「え……?」
「ほら早く脱いで」
「っ…………」
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