第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「…それは、良かったです。」
私もライトくんを抱きしめ返す。
「ボクも愛してるよ、メグルちゃん」
少し身体を離して、ライトくんが嬉しそうに笑って言う。そして唇にキスをしてくれた。
「これでライトくんは私のモノだね」
「!」
そう言うとライトくんは一瞬驚いて目を見張ったが、すぐに顔を緩めた。
「キミって子は本当に…」
「………?」
「ボクの花嫁さんは可愛いなって思ってさ」
「な、なに…突然?」
「突然じゃないよ。キミと初めて会った時からずっと思ってたさ。この子がボクのモノにならないかなって」
「じゃあその願い、叶ったね」
笑えば、ライトくんは私のおでこと自分のおでこをコツンっと合わせる。
「泣かせてごめんね」
「ライトくん…」
ごめんって…謝ってくれた…
「反省…してる?」
「もちろんさ。キミほどエキセントリックでボクを飽きさせない子なんて他にいないんだった」
「(…全然反省してないじゃない!)」
「だから…ボクはキミのことこんなに好きになっちゃったんだっけ…ふふっ」
「!」
「貸してあげるだけならいいかななんて思ってたけど、試してみてわかったよ。結局、ボクにとって一番つまらないのは、キミが傍にいないことみたい」
ライトくんの手が頬に触れる。
「ねえ、メグルちゃん。これからも、ボクと一緒にいてくれる?」
「当たり前だよ。私が自分で決めたんだもん。あのとき教会で誓ったでしょう?私はライトくんの…」
「キミはボクの花嫁さん。…そうだよね?んふ…んっ…チュッ…チュッ…」
「(ライトくん…)」
「ボクは普遍を信じてない。カタチあるものは壊れるし、ヴァンパイアのボクだっていつかは死ぬかもしれない。だけど…そのボクが、あの日キミに永遠を誓ったのはなぜだかわかる?」
「え……?」
「ふふっ、それはね。愛にはカタチがないからだよ。だから…もしかしたら普遍になるかもしれないなんて思ったんだ」
「(普遍…)」
「メグルちゃん、もう一度だけ聞くよ。キミはこんなボクに、ついて来られる?」
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