第22章 唯一望んだもの(❤︎)
神様。あの流れ星に願った想いは本当です。この先もずっとライトくんと一緒にいたい。どんな困難が待ち受けていようとも、彼と一緒なら、きっと乗り越えていけるはずだから。
「わ、私……!!」
「……?お花ちゃん?」
「(私が…選んだのは…!)」
ドクンッ
「!?」
胸が…苦しい…!
「っ!?メグルちゃん!」
「あっ…ううっ…!」
苦しさで顔をしかめ、私はドサッと床に倒れた。
「ちょっと!」
ライトくんが慌てたように駆け寄り、私を抱き起こす。
「メグルちゃん!メグルちゃんったら!!」
ライトくんの焦る声が聞こえる。
「もしかしてこれもあの薬の…!?」
「っ…………」
「メグルちゃん、しっかりしてよ…!」
「(一体何!?でも…苦しさと一緒に、頭の中の霞がだんだん晴れていく…)」
そうだよ…私は…!
閉じていた目を開ける。
「…ライトくん、聞いて…?」
「えっ?」
「私の心はね、変な薬にだって、ほかのどんな強い相手にだって絶対に負けない。だから、ライトくんの好きにもさせないよ。だって…私の心は、私のものだもん」
呆けた表情を浮かべているライトくんに私の思いを伝える。
「あのとき…そう、私自身の心が決めたんだよ。私は永遠にライトくんを愛するって」
「!」
大丈夫。きっとこの人の私に対する愛は本物だ。今日、改めてそれを確認することができた。だって…こんなにも私を想ってくれているんだもの。
「今…なんて…?」
「私はライトくんを愛してる」
驚いて目を見張っているライトくんに微笑んで言う。
「愛してるよ、ライトくん」
「っ────!!」
その瞬間、ギュッと強く私を抱きしめた。痛いくらいキツく抱きしめられ、息が苦しくなってライトくんに声を掛けようとしたが…。
「(ライトくん、泣いてる…?)」
「…ねぇ、お花ちゃん。ボクが唯一キミに望んだもの、知ってる?」
「え?」
「堪らなく欲しくて、ずっと待ってたんだ。キミからの『愛してる』って言葉を」
「!」
「どうしてかな…今すごく嬉しいよ。心の中がキミへの愛で満たされたみたいだ」
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